ヘンリー・フール

ハル・ハートリー監督のヒューマンコメディ。天才作家を自称する男と、彼に詩の才能を見出された青年の友情をオフビートに描く。

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解説

９０年代にニューヨークインディーズの代表的な存在として活躍したハル・ハートリー監督が、１７年もの年月をかけて完成させた三部作の第一作。善人とも悪人ともつかない魅力をたたえた主人公ヘンリーを、トーマス・ジェイ・ライアンが強烈に演じる。資本主義社会における芸術の変容や、ネット上で“バズる”現象、加速化する分断や差別など、今現在の社会を先取りする描写の数々に唸らされる。カンヌ国際映画祭では脚本賞を受賞。

あらすじ

ある日、ふらりとニューヨークの片隅へやってきた謎の男ヘンリー。物書きを自称する彼のカバンには、書きかけの原稿が詰まっていた。ゴミ処理場で働きながら母と姉を養う青年サイモンは、ヘンリーからノートと鉛筆を渡され詩を書きはじめる。彼の紡ぐ言葉に文学的な才能を感じたヘンリーは、親身になって指導。やがてサイモンの詩は評判となり、詩人として名を成してゆく。対照的にヘンリーは自堕落な生活を続けていた…。

★カンヌ国際映画祭脚本賞受賞