この作品が上映されて、とても嬉しい。
私のオリジナル作品が存在し、そして今このドキュメンタリーが存在する。
この作品は、大統領の殺害を組織的に行い、
逃げ果せた権力者たちを捕らえるために最も近づけた作品だ。
JFK暗殺陰謀説は、真実である。

オリヴァー・ストーン

INTRODUCTION

世界を震撼させた暗殺事件から60年…。巨匠オリヴァー・ストーンが『JFK』(1991)で綿密な調査に基づく独自の視点から描いた陰謀のストーリーは、そのセンセーショナルな内容から世界中で大ヒットを記録した。

本作では映画の公開後、新たに解禁された何百万ページにおよぶ機密解除文書の中から“真実”と思われる重要な発見を白日の下に晒し、主要メディアが無視し続けてきた陰謀の真相をあぶり出す。長期間に渡る調査と、 事件の目撃者をはじめとする関係者のインタビューの中から浮かび上がる“新たな証拠”=「新証言」を深く掘り下げ丁寧に紐解きながら、この暗殺事件がいまだ現代にも大きな影響を与え続けている歴史的な大事件であったことを、 今を生きる私たちに改めて知らしめることになる衝撃のドキュメンタリー。

これが巨匠オリヴァー・ストーンの最終解答だ!

INTRODUCTION

JFKーー。この3つのアルファベットが何を意味するのか。多くの人が知っている。 アメリカ合衆国第35代大統領、ジョン・F・ケネディ。東西冷戦のさなか、選挙で選ばれた大統領としては史上最も若い43歳で就任。国民の期待を一身に担う存在となった。歴代大統領の中で最も知名度が高いと言われ、ニューヨークの国際空港にはその名が冠されている。しかし在任期間は1036日で、現職のバイデンを除くと歴代7番目の短さである。1961年1月に大統領に就任し、その2年10ヶ月後、ダラスで命を奪われてしまったからだ。 アメリカ大統領はそれ以前にも、第16代のリンカーン、第20代のガーフィールド、第25代のマッキンリーが在任期間中に暗殺されている。また、第40代のレーガン大統領の暗殺未遂事件も起こった。アメリカ大統領の命が狙われるのは、ひとつの“宿命”かもしれない。こうした暗殺事件の中で、現在に至るまで、時を超えてセンセーショナルな注目を集め続けるのが、ケネディ=JFKのケースだ。 1963年11月22日、オープンカーでダラス市内をパレードするケネディ大統領の頭部を銃弾が貫いた。沿道のビルから狙撃したのは、元海兵隊員のリー・ハーヴェイ・オズワルドとされ、彼は拘束される。しかしわずか2日後、移送中のオズワルドを、ナイトクラブのオーナー、ジャック・ルビーが射殺。容疑者は「死人に口なし」となり、大統領暗殺の完全なる真相は闇に葬られることになった……。 世界の歴史でも最大の「ミステリー」のひとつ、ケネディ暗殺事件。その後、数々の謎、陰謀論が都市伝説的に広がり続け、28年後の1991年、事件の謎にまっすぐに向き合った映画が完成する。オリヴァー・ストーン監督の『JFK』だ。

『JFK』を撮った巨匠オリヴァー・ストーンの執念の企画

『プラトーン』(86)でアカデミー賞作品賞・監督賞を受賞し、その後も『ウォール街』(87)、『7月4日に生まれて』(89)と骨太なテーマとエンタテインメントを融合させる傑作を送り続けてきたオリヴァー・ストーンが、綿密な調査に基づく独自の視点から、ケネディ暗殺の真相に迫った『JFK』は、そのセンセーショナルな内容から世界的な大ヒットを記録。日本でも1992年に公開された洋画作品の配給収入(※当時)で4位。3時間9分という長尺で「日本では難しいのでは?」という映画会社の予想を、いい意味で裏切った。この映画のヒットにより、日本でもケネディ大統領の「JFK」という呼称が定着したのだ。同作はアカデミー賞8部門にノミネートされ、2部門(撮影賞、編集賞)で受賞を果たす。 ケビン・コスナーが演じる地方検事ジム・ギャリソンが、ケネディ暗殺事件の捜査に人生を捧げ、事件の陰にCIAや大物政治家、マフィアの暗躍があったことも示唆する『JFK』は、ストーン監督による想像、つまりフィクションの要素も含まれたが、本作によってケネディ暗殺事件は再び脚光を浴びることになる。映画公開の翌年(1992年)、アメリカ議会がジョン・F・ケネディ大統領暗殺記録収集法を可決。これによって数百万ページにおよぶ文書が機密解除された。ケネディ暗殺事件は研究者や民間コミュニティによって新たな調査が活気を帯びるものの、メディアによるケネディの死の“神聖化”の動きもあり、結局のところ真実はわからないまま年月は過ぎていく。 停滞する動きに不満を募らせていたオリヴァー・ストーン、そして『ワールド・トレード・センター』(06)『スノーデン』(16)で彼と組んだプロデューサーのロブ・ウィルソンが、満を持して完成させたのが、このドキュメンタリー『JFK/新証言 知られざる陰謀』である。

証言の「点」が事件全体の「線」となるミステリーの構成

ジョン・F・ケネディが平和を訴えるスピーチで始まる本作は、1963年のあの日、大統領の悲報を聞いた人々の反応、その直後のオズワルド逮捕、殺害を当時の映像でたたみ込むように展開。息もつかせぬ冒頭から観る者の心を鷲掴みしてしまう。 そして暗殺事件から55年後の2018年。ダラスを訪れたオリヴァー・ストーン監督が吐露する強い思いから、真実への「新たな章」が幕を開ける。ケネディの命を奪った銃弾の特徴、銃撃の方向、オズワルドの現場からの逃走経路、病院での検死やFBIの報告を細かく再検証しながら、事件直後、真相を調査するために組織されたウォーレン委員会の報告の矛盾を突きつけていく。検視で撮影されたケネディの遺体や、当時の映像、さらに1991年の『JFK』のクリップも使いながら、ストーン監督が引き出す新たな証言の数々は、ひとつひとつのピースがつながる、つまり「点」が「線」となる極上のミステリーのスタイルだ。 そして中盤から終盤にかけては、オズワルドとキューバやソ連(当時)の関係、FBIやCIAの暗躍も明らかになっていき、キューバ危機、ピッグス湾侵攻、ベトナム戦争という歴史的事件ともリンクし、ケネディの暗殺が「必然」だった説が浮上。証言を心に刻みながら、背筋の凍る瞬間が何度か訪れる。 新たな証言のためにストーン監督がアプローチしたのは、検視に関わった医師の元同僚、法医学者、歴史学者、暗殺事件やケネディに関する著作のある作家、暗殺記録再評価委員会のメンバー……と多岐に渡り、ジョン・F・ケネディの弟で、兄の死の5年後にやはり暗殺されたロバート・ケネディの息子も、一族を代表して登場する。このロバート・ケネディ・ジュニアは弁護士だが、2024年のアメリカ大統領選の民主党指名候補争いに出馬を表明するなど“時の人”である。 上映時間118分に詰め込まれた膨大な情報量で圧倒し続けるのが、この『JFK/新証言 知られざる陰謀』の持ち味だと言っていい。

2023年の今、このタイミングで観るべき意義

撮影監督を務めたのは、ストーン監督の『JFK』など3度のアカデミー賞撮影賞に輝いたロバート・リチャードソン。またナレーションを、ハリウッドを代表する名優のウーピー・ゴールドバーグ、ドナルド・サザーランドが担当。サザーランドは『JFK』のクライマックスの重要なシーンで、主人公ジム・ギャリソンにケネディ暗殺の真相を“匂わせる”X大佐(ミスターX)を演じており、最高のキャスティングとなった。 日本でも2022年、安倍晋三元首相が殺害される事件が起こり、さらに翌年、未遂ながら現職の岸田文雄首相の命も狙われ、改めてケネディ暗殺事件からの地続きを感じている人も多いはず。またここ数年、世界を揺るがす大事件から、有名人のスキャンダルに至るまで、メディアが伝える情報が本当に正しいのか、忖度や陰謀で事実が隠されているのではないか……という不安も増大している。このような社会状況において、新たな証拠から真実を炙り出そうとする『JFK/新証言 知られざる陰謀』は、まさに“今こそ観るべき”一本だろう。 世界を震撼させた暗殺事件から60年を経て、20世紀最大のミステリーがどのような結末を示すのか。あるいは、さらに疑惑の闇は広がっていくのかーー。 真実を見極める役割は、われわれ一人一人に託される。

1960

大統領候補のニクソンとケネディ、大統領選初のテレビ討論

1961

ジョン・F・ケネディ、第35代大統領に就任
ピッグス湾事件(※)によるキューバ侵攻失敗

1962

アポロ計画の人間衛星船打ち上げ成功
キューバ危機(※)回避される

1963

8月、人種差別撤廃を求める運動の一環として“ワシントン大行進”の最中に、
キング牧師の「I Have a Dream(私には夢がある)」 演説が行われる。
11月22日、ケネディ大統領暗殺事件(※)

1964

公民權法成立

1965

ベトナム戦争に本格的軍事介入

1967

ワシントンでベトナム反戦集会、サンフランシスコで「サマー・オブ・ラブ」起こる

1968

キング牧師暗殺
ジョン・F・ケネディの弟で、アメリカ合衆国上院議員ロバート・ケネディ暗殺

1969

リチャード・ニクソン、第37代大統領に就任
「ウッドストック・フェスティバル(野外コンサート)」開催
宇宙船アポロ11号月面着陸 人類がはじめて月面に立つ

ケネディ大統領暗殺事件の真相を驚くべき執念で解き明かしていくオリヴァー・ストーンのスリリングで息詰まるほどのサスペンスな本作は、賞賛の言葉が出ないほどに圧倒される。しかし見どころは他にもある。【人民の、人民による、人民のための政治】を説いたリンカーンの理想をケネディが実現を目指したが、儲けたいために戦争をやりたがる権力者と富裕層の陰謀によって志が阻まれたことへのオリヴァー・ストーン監督の慚愧と怨念と義憤がスクリーンからヒシヒシと伝わり、私は思わず涙した。我がニッポン国で民主主義の危機を憂いている人は皆、故ケネディ大統領+オリヴァー・ストーンから多くを学ぶべきである

原一男/映画監督

この作品は多くの専門家たちの見解を丁寧に細やかに見事に追及していて
しかしその結果、謎はどんどん深まっていく。
そこがこの映画の魅力だ。

田原総一朗/ジャーナリスト

秀逸のドキュメンタリーだ。ケネディ大統領暗殺事件を嘘で固めたウォーレン委員会の「でたらめ」を、新しい証言で明らかにする。オリヴァー・ストーン監督の執念と能力だけが生み出せた作品だ。ケネディの偉大さと歴史を欺いた黒幕の存在を改めて知ることになる

土田宏/ケネディ研究者

暗殺現場にいたシークレットサービスが60年の沈黙を破って今年10月、本を出しました。彼の証言が本当なら、オリヴァー・ストーン監督らが呈し続けた複数犯説がさらに真実味を帯びることになります。映画『JFK』が世論を喚起して約30年、風化させぬと今回ドキュメンタリーを出した監督の執念が、新たな証言を呼び起こす推進力にもなっているのかもしれません。疑問を投げかけ続ける意義、そして映画の力を感じます

藤えりか/朝日新聞記者

何かある!でも何かはわからない。
1992年、高校生だった僕は「JFK」を観に行った。「なぜ殺した?誰が得をする?隠す権力があるのは誰だ?」
このセリフに怯えながら帰宅した。
そして、2023年。
嘘!妨害!廃棄!脅迫!上からの指示!
真相にたどり着けるのか?
何かはある。
悪いヤツにバチが当たりますように

ビビる大木/タレント

聴く者の心を震わせるスピーチ。否が応でも期待を高める国民の熱狂。その昂揚感がたちまちのうちに悲劇へとなだれ込む冒頭から、20世紀でも最大のミステリーへと引きずり込まれていく。
やがて多角的、怒涛のように迫ってくる証言によって、われわれはジョン・F・ケネディが“生きていた”世界を夢想することになるだろう

斉藤博昭/映画ジャーナリスト

本作は、映画『JFK』大ヒットの翌年、米議会で成立した暗殺記録収集法によって明らかとなった新事実を、綿密な調査に基づいて制作した渾身のドキュメンタリーだ。現在CIA、軍産複合体等の権力中枢は、大マスコミを巧みに操り、再び合衆国を危険な方向へ導こうとしている。ケネディ暗殺は過去の出来事ではない。

瀬戸川宗太/映画評論家

「改めて知る大統領ケネディ」

土田 宏(ケネディ研究者)

 本作品は、オリヴァー・ストーン監督の前作、実際のケネディ暗殺調査に携わったギャリソン検事を主人公とした『JFK』とまったく趣を変えて、全編ドキュメンタリーとなっている。「劇」を期待していると拍子抜けかもしれないが、扱っている内容は前作以上に価値がある。

 ケネディ大統領暗殺を公式に調査して、結論を出したウォーレン委員会の『報告書』には当初から多くの批判が出ていた。その原因は委員会が、調査をする前からオズワルドというひとりの若者の「単独犯行」を結論としていて、すべての調査結果を、彼が暗殺犯だと断定するためにだけ解釈し、利用し、そしてまとめあげたことにあった。委員会は科学的な調査と冷静な判断に基づく結論だとしていたのだが、この釈明は苦しかった。

 本作品でも当然取り上げられているが、「魔法の銃弾(本作では「魔法の弾丸」と表記)」のあり得ない解釈、あるべき指紋がないのに凶器とされた銃、オズワルド自身に犯行の動機がないことなど、どこにも「科学的」な要因が見られず、「冷静な判断」を下したとは思えなかったからだ。

 ただ、全米の有力メディアが即座に委員会を支持したこと、そして同時に批判には意味がないとしたことで、委員会の、相当にでたらめな結論は次第に国民に受け入れられるようになってしまっていた。オリヴァー・ストーン監督の前作がその国民に委員会への疑問を植え付けたはずなのに、メディアはそれでも委員会の調査と結論が正しいとし、ストーン監督を貶めさえしてきた。

 今回の作品でストーン監督はいまもなお委員会の結論を受け入れられないと主張する人たちを丹念に探し出し、彼らの主張することをしっかりと記録した。その証言記録が本作品である。彼らの主張には、すでにこれまで何回か取り上げられてきたものもあるので、語られている内容のすべてが新しいわけではない(少なくとも、事件の研究者にとっては、だが)。しかし、証言者の表情や動作を克明に映し出す映像と、優れた編集が次第に高めていく緊迫感によって、委員会がいかにいい加減だったのか、当然、その結論がいかに信じられないものなのかが明らかになっていく。この辺りの手法はさすがである。

 今回の作品が重要なのは、こうしてウォーレン委員会批判の証言を映像化していくなかで、ケネディ大統領本人がいかに素晴らしい政治家であったかを観る者に思い出させてくれる点だろう。現在の世界の政治家とは比較にならないほどの人物だったことを改めて思い起こさせてくれる。

 戦争は絶対にしない決意、敵国ソ連を国際社会の一員として迎え、これと協調していく外交路線、そしてアメリカの汚点だった黒人差別を撤廃させる勇気ある発言と行動などが、ウォーレン委員会批判の証言を通して伝えられてくる。暗殺から60年のいま、ケネディは別格の政治家だったのだとして、彼の真の姿を我々に教えてくれたことは、本作品におけるストーン監督の最大の功績だろう。

 この点こそが、本作品を観るべく劇場に足を運ぶ意義のあるものにしてくれている。そして、同時に、ケネディ亡きあと、権力を持った者たちは、おそらくは自分たちの利益や立場を守るために真実を隠し、その意味で国民を騙すことがあるのだと改めて認識すれば、いまの時代に本作品に出会えたことこそが、私たちにとって大変重要なことなのだ。

 本作品で取り上げられる証言のうちの一つでよい。ウォーレン委員会のいい加減さと嘘とに気づいて、20世紀最大の謎とされてきた事件に改めて関心を持ってもらえたら評者としても望外の喜びである。

【プロフィール】土田 宏(つちだひろし) 1947 年、茨城県生まれ。上智大学外国語学部英語学在学中にニューヨーク市のFordham 大学に編入、72 年に同大を卒業後、New School for Social Research に進学して74 年に修士課程を修了(MA 取得:専攻アメリカ政治)。城西国際大学教授を退職後、ケネディ研究者として活動。
<主な著書>『ケネディ兄弟の光と影』(1992 年)、『秘密工作 ケネディ暗殺』(2003 年)、『リンカン――神になった男の功罪』(2009 年〉、『アメリカ50 年 ケネディの夢は消えた?』(2015 年)、『「発想の転換」の政治──ケネディ大統領の遺言』(2018 年、以上いずれも彩流社刊)、『ケネディ――「神話」と実像』(中公新書、2007 年)、『アメリカ1968』(中央公論新社、2012 年)ほか多数。

■最新刊:「アメリカの陰謀 ケネディ暗殺と『ウォーレン報告書』」(2023年11月16日発売/発行元:彩流社)

監督/出演:オリヴァー・ストーン

a film by Oliver Stone

1946年9月15日生まれ、ニューヨーク出身。イェール大学を1年で退学後、ベトナム戦争で兵役に就く。退役後、ニューヨーク大学でマーティン・スコセッシに師事。 ホラー映画『邪悪の女王』(1974/日本劇場未公開)で監督デビューを果たす。その後、アカデミー脚色賞を受賞した『ミッドナイト・エクスプレス』(1978)、 『コナン・ザ・グレート』」(1982)、『スカーフェイス』(1983)などで脚本家として頭角を現す。ベトナム戦争に従軍した実体験を題材にした監督作『プラトーン』 (1986)は世界的な大ヒットを記録しアカデミー作品賞・監督賞を受賞。監督としても才能を開花させ、以後『ウォール街』(1987)、『7月4日に生まれて』(1989)、 そして本作のオリジナル作品である『JFK』(1991)ではアカデミー賞8部門にノミネートされ2部門(撮影賞・編集賞)を受賞。その後も『天と地』(1993)、 『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994)などの社会派かつ問題提起する作品を監督し、世界的な名声と地位を築く。その後も精力的に活動し、監督だけでなく プロデューサーやドキュメンタリー番組の監督も手掛け、『ワールド・トレード・センター』(2006)、『ブッシュ』(2008)、『ウォール・ストリート』(2010)、 『スノーデン』(2016)といった話題作を発表し続けている。ちなみに、歴代で最も好きな大統領はもちろんジョン・F・ケネディである。

プロデューサー
ロブ・ウィルソン

Rob Wilson

プロデューサーであり脚本家。オリヴァー・ストーン監督とは『アレキサンダー』(2004)、『ワールド・トレード・センター』(2006)、『スノーデン』(2016)などで仕事を共にする。

脚本
ジェームズ・ディユジニオ

James DiEugenio (Script / Dialogue)

カリフォルニア州立大学ノースリッジ校でアメリカ現代史を専攻。本作と同時期に制作された約60分×4話分のTVシリーズ版「JFK: Destiny Betrayed(原題)」の脚本を担当。

撮影
ロバート・リチャードソン

Robert Richardson (Cinematography)

1955年8月27日生まれ、マサチューセッツ出身。アメリカの撮影監督。オリヴァー・ストーン、マーティン・スコセッシ、クエンティン・タランティーノ監督作品の撮影で知られる。『JFK』(1991)、『アビエイター』(2004)、『ヒューゴの不思議な発明』(2011)で、アカデミー撮影賞を3度受賞している。

音楽
ジェフ・ビール

Jeff Beal (Music)

1963年6月20日生まれ、カリフォルニア出身。アメリカの作曲家。幼少期からトランペットを習い始める。イーストマン音楽学校卒業後、ニューヨークに出てジャズ・ミュージシャンとして活動する。その後、映画・テレビドラマ音楽の作曲を手がけるようになる。プライムタイム・エミー賞音楽賞を計5回受賞している。

編集
カート・マッティラ

Kurt Mattila (Film Editor)

数々の賞を受賞したドキュメンタリー映画『スタントマン』(2021)を監督したほかプロデューサー業も務める。

ナレーター:
ウーピー・ゴールドバーグ

With narration by Whoopi Goldberg

1955年11月13日生まれ。ニューヨーク出身。8歳の時から児童劇団に所属。ニューヨーク大学を卒業後、働きながらブロードウェイの舞台で端役を得る。 その後、カリフォルニアで舞台への出演やスタンダップ・コメディの修行を積み、TVにも出演。映画デビュー作『Citizen(原題)』(1982)に続く『カラーパープル』 (1985)でオスカー主演女優賞にノミネートされ、一躍スター女優となる。1987年には人気TVシリーズ「新スター・トレック」にレギュラー出演し、 『ゴースト ニューヨークの幻』(1990)の霊媒師役でアカデミー賞をはじめゴールデングローブ賞などの助演女優賞を受賞した。 1992年の主演作『天使にラブ・ソングを…』は大ヒットを記録。その続編『天使にラブ・ソングを2』(1993)でも主演し、世界的な人気を得てコメディ映画を中心に活躍の場を広げる。 2007年、番組出演中に女優引退を宣言。だが、その後も活動を続けており、2007年9月からはアメリカ・ABCテレビのトーク番組「The View」の共同ホストの一人となっている。 エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞の4つの賞をすべて受賞した人物でもある。

ナレーター:
ドナルド・サザーランド

With narration by Donald Sutherland

1935年7月17日生まれ。カナダ出身。10代の頃からローカルラジオ局のラジオ番組に出演し司会を務めた。カナダのトロント大学を卒業後、 演技を学ぶためにイギリスに渡り舞台で活躍しながら1963年に映画デビュー。『特攻大作戦』(1967)の演技で注目を集め、 ロバート・アルトマン監督によるカンヌ国際映画祭パルム・ドールとアカデミー脚色賞を受賞したブラックコメディ『M★A★S★H マッシュ』(1970)に出演。 以降、ジェーン・フォンダ共演作『コールガール』(1971)、ニコラス・ローグ監督作『赤い影』(1973)、ベルナルド・ベルトルッチ監督作『1990年』(1976)、 ロバート・レッドフォード監督作『普通の人々』(1980)などで活躍し、『バックドラフト』(1991)では放火魔役で強烈な印象を残す。 本作のオリジナル作品であるオリヴァー・ストーン監督作『JFK』(1991)では重要な鍵を握る人物である“ミスターX”を演じた。 その後も、クリント・イーストウッド監督作『スペース・カウボーイ』(2000)や『プライドと偏見』(2005)、近年では『ハンガー・ゲーム』シリーズ(2012~15)、 『ロング, ロングバケーション』(2017)、『アド・アストラ』(2019)、『ムーン・フォール』(2022)などに出演。 ドラマシリーズ「24 -TWENTY FOUR-」(2001-2014)で知られる俳優のキーファー・サザーランドと、『エスター ファースト・キル』(2022)などに出演するロッシフ・サザーランドは息子である。

© 2021 Camelot Productions, Inc. All rights reserved.
Photo: John F. Kennedy Presidential Library, National Archives

ピッグス湾事件

961年4月、米国がカストロ政権の転覆を狙ってキューバに侵攻した事件(第一次キューバ危機とも称される) CIAの支援を受けた亡命キューバ人部隊が、本島南岸のコチーノス湾に上陸したが、3日間の戦闘の末、キューバ軍に撃退され失敗に終わった作戦。 キューバ革命後、カストロ政権は東側諸国との連携を強め、社会主義的な改革を推進。産業を国有化し、米系企業の資産を接収したことから、米国は1960年1月、 キューバとの国交を断絶。侵攻作戦はアイゼンハワー政権下で計画され、ケネディ政権下で実行された。事件後、カストロは、キューバ革命が社会主義革命であったと宣言。 ソ連との友好関係を深める中、1962年、同国への核ミサイル配備をめぐって米ソが対立する(第二次)キューバ危機が起きた。

キューバ危機

1962年10月、当時のソ連がキューバに攻撃用のミサイルを設置したため生じた事件(第二次キューバ危機とも称される) ミサイルの搬入阻止をめぐって米ソ両国が対決寸前となり、世界中を核戦争瀬戸際の恐怖に陥れた。 当時、アメリカのキューバに対する敵視政策はエスカレートしており、62年1月には米州機構がキューバを除名するなどキューバ封じ込めが進んでいた。 一方、ソ連とキューバは極秘裏に軍事協定を結び、キューバに密かに核ミサイルや兵員、発射台、ロケット、戦車などを送った。 そんな中、10月16日にアメリカは偵察飛行で核ミサイル基地の建設を発見、直ちにキューバを海上封鎖し、核ミサイル基地の撤去を迫った。 米ソ両国は一触即発の危険な状態に陥ったが、当時のケネディ大統領とフルシチョフ第一書記とで書簡をやり取りし、最終的にソ連が核ミサイルを撤去してこの危機は終わった。 また、これを機に米ソ間でホットラインの開設がなされ、不測の事態による軍事衝突を防ぐための対策が取られた。

ケネディ大統領暗殺事件

11月22日(金) 現地時間12時30分、 テキサス州を遊説中の現職の第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディがダラス市内をパレード中に銃撃され、死亡した暗殺事件。 エアフォースワン(大統領専用機)機内でアメリカ合衆国大統領の就任宣誓を行いリンドン・ジョンソン副大統領が、第36代大統領に就任(昇格)