ロベルト・ロッセリーニ監督が、当時の妻イングリッド・バーグマンを主演に描いた愛のドラマ。当日の脚本だけ用意する即興的な撮影スタイルで、倦怠期夫婦の感情のゆらぎを映し出す。バーグマンは、ロッセリーニとの“世紀の恋”を機にハリウッドを捨ててイタリアに渡ったが、素人を役者に起用するなどロッセリーニの手法は彼女を戸惑わせたと言われている。一説には、劇中の夫婦の姿にロッセリーニの願望が込められているとも。

会社役員のアレクサンダーとキャサリンはロンドンに住む夫婦。アレクサンダーが相続したナポリの海辺の別荘を売却するため、２人は共にイタリアにやってきた。一見仲の良い夫婦だが、結婚生活は崩壊寸前。別荘を売り払うことしか頭にない夫とナポリで過去の恋人への感傷に浸る妻との溝はいよいよ深くなり、ついに離婚話が持ち上がる。キャサリンがナポリの名所旧跡を巡る間、アレクサンダーはカプリで浮気を試みるが…。

• ROBERTO ROSSELLINIロベルト・ロッセリーニ

• INGRID BERGMAN イングリッド・バーグマン
• GEORGE SANDERS ジョージ・サンダース
• MARIA MAUBAN マリア・モーバン
• ANNE PROCLEMER アン・プロクレマー
• PAUL MULLER ポール・ミューラー