ブライアン・デ・パルマ監督が、得意とする流麗なカメラワークと巧みな編集を駆使して、多重人格の心理学者が巻き起こす恐怖を描いたサイコサスペンス。エロティックな描写を交えつつ、神経を逆なでするような不穏なムードを醸し出すデ・パルマらしい味わいが、存分に堪能できる。主人公の複数の人格を演じ分けたジョン・リスゴーの怪演も、物語を効果的に盛り上げる。お馴染みの、ヒッチコック作品に対するオマージュもたっぷり。

児童心理学者のカーターは、幼児期の体験が複雑な精神構造をもたらすことに注目し、研究のために友人であるカレンを麻酔で眠らせ、彼女の息子を誘拐する。だが、犯行なかばで取り乱してしまうカーター。そんな彼の前に双子の兄ケインが出現し、カレンの殺害を請け負う。やがて町では行方不明者が続出し、カーターは妻がいなくなったと警察に通報。カーターを見た元刑事は、彼がある事件を起こしたニックス博士の息子だと気付く…。

• BRIAN DE PALMAブライアン・デ・パルマ

• JOHN LITHGOW ジョン・リスゴー
• LOLITA DAVIDOVICH ロリータ・ダヴィドヴィッチ
• STEVEN BAUER スティーヴン・バウアー
• FRANCES STERNHAGEN フランシス・スターンヘイゲン
• MEL HARRIS メル・ハリス