羅生門
芥川龍之介の短編小説「藪の中」を映画化。山の中で起きた1人の武士の死をめぐり、3人の証言者の話がことごとく食い違い、真相がますます謎に包まれていく様を通して人間の本性を鋭くえぐった傑作ドラマ。監督は『七人の侍』の黒澤明。出演は『用心棒』の三船敏郎と『雨月物語』の京マチ子。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞(最高賞)受賞。アカデミー名誉賞(最優秀外国語映画)受賞。
【ストーリー】平安時代。武士の金沢とその妻・真砂は、都に程近い山中で出会った盗賊の多襄丸に騙され、真砂が夫の目の前で手籠めにされてしまう。やがてそこには、金沢の死体だけが残されるのだった。その後、事件は検非違使が預かることになり、多襄丸、真砂、目撃者の杣売りと旅法師、そして被害者である金沢の霊からも証言を得るため霊媒師が呼び出される。しかし、多襄丸と真砂の証言は真っ向から対立。さらには霊媒師を介した金沢の霊の証言も、両者とは全く異なるものだった。こうして事件はますます混迷を極めていくのだが…。