9月29日(日)開催 ニコラス・ガリツィン誕生日記念 「メアリー&ジョージ 王の暗殺者」特別上映会 オフィシャルレポート(全文)
この度、日本配信および放送、さらに主演を務めたニコラス・ガリツィンの誕生日(9月29日)を記念して『メアリー&ジョージ 王の暗殺者』の第1話特別試写会(吹替版)&豪華ゲストによるトークイベントが9月29日(日)ユナイテッド・シネマとしまえんにて開催されました。イベントにはジョージ役(ニコラス・ガリツィン)の吹替を務める声優の増田俊樹さん(『刀剣乱舞』、『忘却のバッテリー』他)、映画ライターのよしひろまさみちさんが登壇。MCの映画ジャーナリストの立田敦子さんとともに、本作の見どころや人気急上昇中の英国俳優、ニコラス・ガリツィンの魅力についてたっぷり語っていただきました。
登場人物たちに翻弄される……。
「非日常が体験できるエキセントリックで刺激的な作品」(増田俊樹)
注目の英国俳優、ニコラス・ガリツィンの演技力を絶賛!
ジョージ役(ニコラス・ガリツィン) 声優:増田俊樹さん
本編上映後の熱気が冷めやらぬなか、日本での配信&放送を待ちに待った大勢のファンの暖かい拍手に迎えられ、声優の増田俊樹さんと映画ライターのよしひろまさみちさんが登壇。
まず本作を観た感想を問われると、よしひろさんは「現在2話まで配信されているので家に帰ったらすぐに2話も見てください。2話以降もとてもエロいです(笑)」と続きを早く見ることをおすすめ。ニコラス・ガリツィン演じる主人公、ジョージ・ヴィリアーズ役の吹替を担当した増田さんは「本当に全体を通して刺激的な作品」と絶賛し、「人間や文化、世界に巻き込まれ、翻弄されていく人々の姿が描かれていて、見ている側も翻弄される作品。非日常が体験できる面白い作品だと思います」と本作の魅力を語った。
9月29日はニコラス・ガリツィンの記念すべき30歳の誕生日。映画『赤と白とロイヤルブルー』、映画『アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~』とヒット作が続いているニコラスの魅力について、よしひろさんは「何と言っても美しい。圧倒的」と美貌を大絶賛。本作でのニコラスの魅力については、「ニコラス演じるジョージがどんどん変容していきます。その変わりっぷりを見てほしいですね」とルックスだけでなく、演技力の高さにも注目だと語った。
そして増田さんは「男性的な印象でありながらも、中性的な魅力も持っている役者さんだなと思いました。力強さの中に繊細さを感じられるのがルックスにも表れていて、それがジョージを演じるにおいて良いシナジーをもたらしたのではないかなと感じました」とニコラスの繊細な演技を称賛。またアニメのキャラクターに声をあてる場合と吹替での違いについて問われると「比較するっていうのは結構難しいですが……」と悩みつつ「主に僕が感じるのは間の使い方だと思います。例えばテレビアニメだと30分の中でものすごい情報量を詰め込まないといけない。会話劇のスピードがとても早いんです。でも、吹替作品だと3時間越えの作品など長く、しっかりとインサート含めて時間を使って描写している印象です。そこが違いかなと感じます」と丁寧に説明した。
また今回吹替版の佐藤宏樹ディレクターに、増田さんをキャスティングした理由を聞いたところ「時の国王が見初めるほどの美貌、出世欲の権化のような母に負けるとも劣らない野心、増田さんの声にはこの二つの要素が感じられた。決め手となったのは、母の愛への渇望といったものをどこか増田さんの中に感じたから」と熱いコメントが到着。それを聞いた増田さんは「ものすごく的確じゃないかなと思います。僕自身も役者や声優をやる中で、ただ求められるものに対して応えていくことにやっぱり疑問を感じていて。自分にしかできないことを常に考えてしまっているので、それがある意味、出世欲だとか他人に対する自己肯定感などに近いのかなと思います。人に対する愛を求める部分はかなり僕も常日頃から感じているので、そういったところを見抜かれたっていうのは、的確でありながら恥ずかしいですね(笑)」と納得しつつ、「ディレクターさんからキャスティング理由を聞く機会ってあまりないので嬉しいです」と少し照れながらも笑顔を見せた。
さらにジョージの20歳から36歳までの激動の人生を演じきった増田さんの演技について、佐藤ディレクターから「年輪とも言うべき時間の積み重ねを丁寧につかみ取り、演じてくださいました。私の中で増田さんは「人気声優」である前に「役者」という存在であり、その可能性と魅力をどこまで引き出せるかが私の大きな楽しみです」とのコメントを聞いた増田さんは、「佐藤さんとは様々な作品でご一緒させていただいていて、今回も僕のキャリアや年齢に適応した、ものすごくピンポイントなキャスティングをしていただきました。素直に自分の中でも腑に落ちる部分と挑戦的な部分というのをお仕事の中でもチャレンジしていくことを心がけています」と熱い思いを明かした。
吹替版の魅力についてよしひろさんは「吹替版の声でキャストのイメージを作ってしまう、日本ならではの魅力がありますよね。何の違和感もないのが日本の吹替の素晴らしさだと思います」と日本の吹替のレベルの高さを熱弁。増田さんも「子供の頃に地上波とかで何気なく見ていた吹替作品に、違和感を感じたことがないというのは、歴史がこれだけ長いうえで培われたありがたみなのかなと思います」と受け継がれてきた技術に感謝を述べた。
本作ではインティマシー・コーディネーター(※性的な描写を撮影する際に現場に立ち会い、出演者と制作陣の意向を調整して、演者の尊厳を守りつつ効果的な演出につなげるサポートを行うスタッフ)も参加した大胆な性描写が話題となったが、多くの愛人がいたと言われるジェームズ1世の人生を映像化するにあたり、セクシャルなシーンの撮影は役者とインティマシー・コーディネーターが入念に話し合いを重ねたという。本作のインティマシー・コーディネーターを務めたロビー・テイラー・ハントは、ニコラスが出演する映画『赤と白とロイヤルブルー』も担当。2度目の共演にニコラスは大船に乗ったような気持ちで撮影ができたと明かしている。
日本でも注目を集めているインティマシー・コーディネーターについてよしひろは「コーディネーターとは何をするかというと振付なんですよね。リアルに官能的に見える角度とか、動きを考える振付師として入っています。演じている役者さんたちが不快に感じない距離をコーディネートする役目なんです。これからどんどん必要になる仕事ですね」と説明。MCの立田は「日本には今のところ二人しかいないと聞いていますが、日本の映像業界も養成に向けて動いていると聞いています」と答えた。俳優としても活躍する増田は「すべてのスタッフの安心安全のため、不確実性を無くすためにこういった役職が生まれてきたんじゃないかと思います。吹替ではコーディネーターの存在を感じさせないように心がけました。彼らが役者としてしっかりお芝居をしているように、振付という部分がナチュラルに反映されていたんじゃないかなと思います」とインティマシー・コーディネーターの重要性について意見を述べ合った。
本作のインティマシー・コーディネーターであるロビー・テイラー・ハントが撮影時に使用したイメージボード
最後に改めて本作の見どころについて増田さんは「今の常識とはかけ離れた、史実になぞらえた常識がたくさんある。そういった時代の差じゃないですけど、ギャップみたいなものと、人間が元々持っている欲望みたいなところを、人間たちが物凄い勢いでぶつけ合っている。エキセントリックで刺激的な部分が楽しめる作品です」とアピール。よしひろさんは「コスプレ劇にニコラスが出ているのが眼福。そして英国王室ものはいろんなタイプの作品があって面白いですが、この作品もその名作の一つになると思います」と作品の完成度の高さを熱く語った。
トークイベント後は、増田さんのサインが入ったポスターが当たるじゃんけん大会を開催。ファンとの交流を楽しみ、フォトセッションでは会場全員でニコラスの誕生日をお祝い。誕生日記念にふさわしい盛り上がりのなか、イベントは幕を閉じた。
増田さんが強かったじゃんけん大会。勝者にはサイン入りポスターが贈呈された
【特別上映会スペシャル】
ジョージ役・増田俊樹さんと『メアリー・ジョージ 王の暗殺者』吹替版のみどころについて
佐藤宏樹(日本語吹替版ディレクター)インタビュー全文
―まず最初に、増田俊樹さんをジョージ役にキャスティングした背景を教えてください。
時の国王が見初めるほどの美貌、出世欲の権化のような母に負けるとも劣らない野心、増田さんの声にはこの二つの要素が感じられました。この二つを併せ持つ方は他の候補者の中にも数名いらっしゃったのですが、決め手となったのは、母の愛への渇望といったものをどこか増田さんの中に感じたからです。
―増田俊樹さんの吹替えは実際にいかがでしたか。
増田さんには、20歳から36歳までのジョージを演じていただいたわけですが、激動の人生を駆け抜けたジョージは、運命に翻弄されながら、様々な経験と感情を味わっていきます。増田さんはその年輪とも言うべき時間の積み重ねを丁寧につかみ取り、演じてくださいました。
―セクシャルなシーンの収録はどのように行ったのでしょうか。
私たちはあくまで日本語版を制作する立場ですので、セリフを中心として考え、セリフの前後に付随する息づかい、あえぎ、もだえといったものは収録、それ以外は原音(原盤)を使用するといった判断をしました。期待外れの回答ですみません。
―今後、増田さんが挑戦するとさらに魅力が輝きそうな実写版映画ドラマの役柄などあれば、お聞かせください。
これまで私が増田さんにお願いしてきた役柄は特殊なものが多いのですが、増田さんはいつも臆することなく嬉々として演じてくださいます。ですので、私の中で増田さんは「人気声優」である前に「役者」という存在であり、その可能性と魅力をどこまで引き出せるかが私の大きな楽しみです。今回は公爵でしたが、いつかは国王の姿も見てみたいと思います。
―『メアリー・ジョージ 王の暗殺者』吹替版のみどころ(聴きどころ)はいかがでしょうか。
歴史ドラマではありますが、家族の物語であり、時代や性別を超越した愛の物語だと私は感じています。
増田さんを始め、日本語版キャストのみなさんの様々な愛の形が聴こえてくるはずです。また、今回の収録形式はコロナ禍前と同じように、キャスト全員をスタジオに集めて一斉に収録したものです。スタジオ内の熱気も感じてもらえると嬉しいです。
2024年9月25日
メアリー&ジョージ 王の暗殺者
ドラマ公式ページ:
https://www.star-ch.jp/drama/maryandgeorge/1/
▼放送
<字幕版>10/8(火)より 毎週火曜よる11:00 ほか
<吹替版>10/10(木)より 毎週木曜よる11:00 ほか
※10/5(土)午後3:15 吹替版 第1話 先行無料放送
▼配信
<字幕・吹替版>独占配信中! ※毎週水曜1話ずつ配信
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0D9D52MV7/
<ストーリー>
17世紀、エリザベス1世から王位を継承したジェームズ1世が統治するジャコビアン時代イングランド。地主階級ながら野心的なメアリー・ヴィリアーズは、暴力的な夫や質素な暮らしに嫌気がさし、容姿端麗の次男ジョージをフランスに送って、裕福な女性と結婚する社交術を習得させようとする。しかし国王ジェームズ1世が若い男性に目がないことを知ると、息子を国王の愛人にし、権力と富を手に入れるという大胆な計画を企てる。フランスから帰国したジョージは、母の導きのもとに数々のライバルを蹴落とし、ジェームズ1世の寵愛と信頼を得て、「バッキンガム公爵」として王政を司る枢密院メンバーにまで上り詰める。一方、自らも上流貴族と再婚したメアリーは、陰謀や策略を張り巡らし、ジョージと共に富と権力と称号を手に入れる。ヴィリアーズ家は宮廷で最も影響力のある一家に成り上がっていくが、政治家のフランシス・ベーコンら政敵との権力争いや敵国スペインとの確執など、彼らの成功を阻む問題が浮上するなか、次第にメアリーとジョージが対立し…。
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