ニコラ・ウォーカー(レディ・ハットン役)|インタビュー公開『メアリー&ジョージ 王の暗殺者』
ジュリアン・ムーア演じるメアリーの宿敵レディ・ハットンを演じるのは『MI-5 英国機密諜報部』シリーズや『埋もれる殺意』シリーズなど、英国ドラマファンにはおなじみの名優ニコラ・ウォーカーです。ローレンス・オリヴィエ賞も獲得した彼女が、今まで避けてきた時代劇への出演を決めた理由、ジュリアン・ムーアとの共演についてなどを語ったインタビューをお届けします。
レディ・ハットンはアン王女(アン・オブ・デンマーク)の侍女です。彼女はエイドリアン・ローリンズ…最高の俳優ですよ!…が演じるエドワード・コーク卿と2度目の結婚をしましたが、愛のない結婚でした。夫は娘のフランシスをメアリー(ジュリアン・ムーア)の長男ジョンと結婚させたがっているのですが、彼女は反対しています。なぜならメアリーの素性や本性を知っているからです。
彼女は強い人で、メアリーに立ち向かえるのは自分だけだと思っています。撮影前に読んだレディ・ハットンに関する本で気に入った箇所があります。夫であるコーク卿が亡くなったとき、墓前で彼女はこう言ったそうです。「二度と彼のような人物に会うことはないでしょう。神に感謝します」と。最高よね(笑)
こういう人なので彼女はメアリーに怖気づいたりせず、「あなた何様なの?うちの娘をあんたの息子なんかに嫁がせるもんですか」と言えるんです。
私はいつも時代劇を避けてきました。なんだか保存されているような変わらなさを感じることが多いからです。でもこの脚本が届いて、このドラマが目指しているのは、まったく違うものだと気づきました。それは「現代性のための現代性」ではないと感じました。
「この世代の人々は、すべての世代と同様に、自分たちが現代的であると思っていた」と説明されました。そこには微妙な違いがあります。そして、プロデューサーはリザ・マーシャルでヘラ・プロダクション制作、脚本はD・C・ムーア、主演はジュリアン・ムーア、そしてオリヴァー・ハーマナスが監督すると聞いて、「やらせてください」と即答しました。
―今まで避けてきた衣装やヘアメイクはどうでしたか?
衣装は時には足かせになることもあります。でもアニー・シモンズが手がけた衣装はすべてオーダーメイドだったのでぴったりでした。そしてヘアメイクも素晴らしい。私はウィッグに苦手意識があるんですが、ポール・グーチ(『アリス・イン・ワンダーランド』、『ブラック・ウィドウ』)のような達人は完璧にキャラクターを作り上げてくれます。
ポールとレディ・ハットンの顔のどこにホクロを付けるかについて素晴らしい議論をしました。そういうことがとても重要なのです。そして控えめであることを象徴するように、彼女の顔の右側、唇の下にしました。
―第2話で、ヴィリアーズ家とディナーをするシーンがありますね。料理は本物だったのでしょうか?
もちろん全部本物よ!すごい量で、とても豪華でしたが、レディ・ハットンは不味くて最悪と思っています。私がブドウを食べながらメアリーを睨みつけるシーンがありました。でも私はジュリアン・ムーアのことが本当に大好きで、内心ずっと話していたかったんです!
ですから撮影中に監督から「2人は憎み合っている役なんですから、ニコニコするのはやめてください!」と怒られました(笑)
―通常時代劇ではセックスは暗示されるだけのことが多いのですが、本作では違いますよね。
なぜなら、セックスは権力だったからです。 そうならざるを得ない。
セックスを通して、権力という簡単に滑り落ちてしまう棒を登っていくんです。宮廷にいる誰もがわかっています。それは巧妙なセックス・チェスのゲームのようなものです。ベッドに入る相手によって前途が決まる。レディ・ハットンは、そういったことはもう人生で越えていて、ケンカをすることと、彼女がズバっとした一言で夫を黙らせる以外は、ベッドルームでの夫婦関係はなかったかもしれないですね。
―最後に、『メアリー&ジョージ』の魅力を教えてください。
ジェットコースターです!1シーズン完結のリミテッドシリーズですからね。
すべての衣服、すべての装飾品、すべての力を剥ぎ取り、裸の人間が権力を奪い合う―。
殴られたように衝撃的で、他の時代劇とは全く違う作品ですよ。
メアリー&ジョージ 王の暗殺者
ドラマ公式ページ:
https://www.star-ch.jp/drama/maryandgeorge/1/
▼放送
<字幕版>毎週火曜よる11:00 ほか
<吹替版>毎週木曜よる11:00 ほか
▼配信
<字幕・吹替版>全話独占配信中!
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0D9D52MV7/
<ストーリー>
17世紀、エリザベス1世から王位を継承したジェームズ1世が統治するジャコビアン時代イングランド。地主階級ながら野心的なメアリー・ヴィリアーズは、暴力的な夫や質素な暮らしに嫌気がさし、容姿端麗の次男ジョージをフランスに送って、裕福な女性と結婚する社交術を習得させようとする。しかし国王ジェームズ1世が若い男性に目がないことを知ると、息子を国王の愛人にし、権力と富を手に入れるという大胆な計画を企てる。フランスから帰国したジョージは、母の導きのもとに数々のライバルを蹴落とし、ジェームズ1世の寵愛と信頼を得て、「バッキンガム公爵」として王政を司る枢密院メンバーにまで上り詰める。一方、自らも上流貴族と再婚したメアリーは、陰謀や策略を張り巡らし、ジョージと共に富と権力と称号を手に入れる。ヴィリアーズ家は宮廷で最も影響力のある一家に成り上がっていくが、政治家のフランシス・ベーコンら政敵との権力争いや敵国スペインとの確執など、彼らの成功を阻む問題が浮上するなか、次第にメアリーとジョージが対立し…。
ハッシュタグ: #メアリージョージ #ジュリアンムーア #ニコラスガリツィン #ニコラ・ウォーカー
『メアリー&ジョージ 王の暗殺者』© Sky Studios Limited 2024